主に近畿地方を中心に行われている「地蔵盆」は江戸時代以前から続き、京都市内では約8割の町内会や自治会で行われています。
お地蔵さんの祠(ほこら)は町内やその周辺に見られ、「町内安全」の文字が物語るように、地域の住民に安全と連帯感を与える存在として代々祀られてきました。八月中旬~下旬にかけて行われる地蔵盆は子どもたちにとって夏休み最後を飾る行事となり、お地蔵さんを飾り付け、お供えをして祀り、その前で福引やスイカ割り、数珠まわし、など大人も交えて交流の場となっています。
今回は京都市上京区泰童町様の地蔵盆で使用する幕を製作いたしました。生地は正絹、ターコイズブルーのような色名は「浅葱」(あさぎ)です。長年使用されていた見本と比べれば生地の張や色の違いは明らかで紫色の幕が多い中、新鮮味のある色でした。
「京の地蔵盆」は京都市が独自に創設した京都をつなぐ無形文化遺産に選定されています。